保安林としてのエノキ

「武蔵野台地と河道」で、私たちのエノキがある地域の環境を書きました。
エノキ、ムクエノキは、もともとそのような川沿いの水分状態が良いところに良く育つと言われます。低くじめじめした土地の水分をよく吸い込んで成長してくれるエノキは、この土地に住む人たちにとって、なじみの深い木であったと思います。「榎地区」という地名が示すように、以前はたくさん生えていたのでしょうが、今ではこの巨樹一本が残るだけです。一本ながらも、がんばって水を吸ってくれています。それは、大雨の次の日の様子を見るとはっきりします。エノキが生えている崖からは水がにじみ出ていませんが、ちょっと離れた崖からは、水がだらだらと流れ出てきます(次のシャッターチャンスで、アップしたいです)。


「保安林」。森林法第5条に基づくもので、公益目的を達成するために、伐採や開発に制限を加える森林のこと。

「保安林」の思想の源流は、767年に飛鳥川上流の南淵山(現在の奈良県高取町高鳥山)周辺の森林伐採を禁止したという日本書紀の記述にさかのぼります。燃料や水資源の供給源として、また防災機能などを有する森林は文明の喪失にもつながることから、古くから森林の伐採を制限する法規制が行われてきたのです。江戸時代には、岡山藩の熊沢蕃山が治水のために保安林的思想を打ち出したほか、江戸幕府も、1666年に諸国山川掟を発し、森林の乱開発を諌め、植林を促しています。

現在の保安林には、機能別に17種ありますが、そのうち、私たちのエノキの巨樹は、以下の役割を果たしてくれています。

1)水害防止保安林・・・洪水のときに、氾濫する水流の勢いを弱め、住宅などへの被害を防ぐ。
2)土砂崩壊防備保安林・・・地盤の不安定な急傾斜地の崩壊を防ぎ、家屋、農地、道路、その他の施設を直接的に保護する。
3)保険保安林・・・空気を浄化したり、騒音を緩和するなど、私たちの生活環境を守るとともに、森林浴など森林レクリエーションの場を提供してくれる。木陰で夏の暑さをしのぎ、気温の上昇を抑制する。
4)風致保安林・・・名所や旧跡の趣のある風景を保存する。

保安林の木は伐採できません。保安林に家を建てることはできません。所有者が変わった場合も指定は有効です。保全の対象である人家や田畑が亡くなった場合などに限って、指定は解除され得ます。

弁天町のエノキの巨樹も、「保安林」として、保護されていくことを強く要望しています。

                                                          (投稿by norih)

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むくのき・えのき

Author:むくのき・えのき
都心 新宿区の街なかに残されたエノキ(ムクエノキ)の巨樹を何とか残したいと地域住民で立ち上げた会、「巨樹の弁天町エノキを愛する会」の活動ブログです。署名をお考えの方は、http://www5e.biglobe.ne.jp/~natsu86/からPDFファイルが手に入ります(印刷してお使いください)。弁天町のつぶつぶカフェさん(http://tubutubu-cafe.net/)でも署名ができます。仲間も募集中です!関心ある方は、mukunoki.enoki@gmail.comまでご連絡ください♪

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